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2012/6/20

経済産業情報

医療機関の経営厳しく、2020年には17%が倒産の恐れ

この記事の要約

病院が冬の時代を迎えている。ライン・ヴェストファーレン経済研究所(RWI)が14日発表した『病院格付け報告書』最新版によると、2011年の時点で「倒産の危険性が高い」と判断された医療機関の割合は12%に上り、前年の10% […]

病院が冬の時代を迎えている。ライン・ヴェストファーレン経済研究所(RWI)が14日発表した『病院格付け報告書』最新版によると、2011年の時点で「倒産の危険性が高い」と判断された医療機関の割合は12%に上り、前年の10%から大きく増加した。病院の財務悪化は今後も続き、今年は15%、20年には17%に拡大する見通しだ。

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病院経営悪化の原因としてRWIは、エネルギー・人件費などのコスト上昇や施設数の過剰といった構造的な問題を挙げる。

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特に深刻なのは公立病院だ。10年に「高倒産リスク」と判断されたのは民間病院で2%、赤十字や教会など公益法人系の病院で9%だったのに対し、公立病院では18%に上った。また、地域によって大きな開きがあり、独東部の公立病院では3%にとどまった。

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州別ではラインラント・プファルツ、ザールラント、ザクセン、ザクセン・アンハルト、チューリンゲン、ノルトライン・ヴェストファーレンが比較的良好と判断された。中位グループはバイエルン、ベルリン、ブランデンブルク、ハンブルク、シュレスヴィヒ・ホルシュタイン、メクレンブルク・フォーポマーン。ヘッセン、バーデン・ヴュルテンベルク、ニーダーザクセン、ブレーメンは非常に深刻な状況に置かれている。

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