チョコ(茶)とバニラ(白)の2色の生地が容器のなかでまだら模様状に入り混じった子ども向けプリン、「Paula」のデザインを盗用されたとして食品大手のDr.Oetkerがディスカウント大手Aldiを相手取って起こしていた係争で、デュッセルドルフ高等裁判所は7月24日、Aldi製品「Flecki」の国内販売を認める判決を下した。「Flecki」の模様が「Paula」の模様と同じであることは明らかだとしながらも、登録されたデザインとは十分に違いがあり、意匠権を侵害しているとは言えないとの判断を示した。
\Dr. Oetkerの「Paula」は2006年に発売された。パッケージにはサングラスをかけて舌を出したコミック風の牝牛キャラクターが描かれている。一方Aldiの「Flecki」(2011年発売)では牛がパッケージに描かれているものの、サングラスの代わりにカウベルと小さな花を身につけているほか、ネコも描かれている。Dr.Oetkerは、FleckiがPaula の欧州共同体意匠権を侵害したほか、模倣によってAldiが不当に利益を享受したと指摘。意匠権侵害を根拠にEU域内での販売、独競争法違反を根拠にドイツ国内での販売を禁止するよう求めて提訴した。
\デュッセルドルフ高裁はEU域内の販売差し止め請求について6月に却下。ドイツ国内についても今回、同様の判断を示した。これにより、Fleckiが意匠権の侵害にも模倣による不当利益享受にも当たらないことが確定した。
\裁判官は今回の判決について「極めて難しい判断を迫られた案件」とコメントした。
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