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2012/8/1

経済産業情報

保険会社が住宅ローン融資を拡大

この記事の要約

過去最低の低金利による運用収益悪化を補うため、アリアンツやエルゴなどの大手保険が個人向けの住宅ローン融資を強化している。法人向けに比べ貸し倒れリスクが大幅に低いうえ、1件当たり融資額が比較的低く、小口分散によるリスク軽減 […]

過去最低の低金利による運用収益悪化を補うため、アリアンツやエルゴなどの大手保険が個人向けの住宅ローン融資を強化している。法人向けに比べ貸し倒れリスクが大幅に低いうえ、1件当たり融資額が比較的低く、小口分散によるリスク軽減効果もあるためだ。独復興金融公庫(KfW)の住宅リフォーム融資申請が今年4月から保険会社の窓口を通して直接行えるようになったこともプラスに作用しているという。7月27日付『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が報じた。

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アリアンツの住宅融資担当者によると、同社の生保部門が手がける個人向け住宅ローンの2011年新規融資額は20億ユーロに上り、前年の約1.3倍に拡大した。融資総額は135億ユーロで、金融資産に占める割合は8%だった。

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競合エルゴでは融資総額が45億ユーロで、金融資産に占める割合はアリアンツとほぼ同水準。タランクス子会社HDI Gerling Lebenでは金融資産の5%、ゼネラリでも同2~3%とやや低い。

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保険会社による住宅ローン融資が新たな住宅バブルを誘発しかねないという懸念について、アリアンツの担当者は「あり得ない」と明言する。住宅ローンを借り入れる顧客と担保となる物件の審査を慎重に行ううえ、物件のある自治体の財政状況もリスク要因として審査しており、リスクが高いと判断した場合は融資利率を引き上げるなどの対策を取っている。

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