年金支給開始年齢を現行の65歳から29年までに段階的に67歳に引き上げる法令が1月に施行されたが、引上げによる財政負担軽減の効果は一時的なものにとどまりそうだ。平均余命の伸びで年齢引き上げ分が相殺されるためで、連邦人口研究所(BiB)の試算によると、1970年生まれの人が受給年齢に達する2037年頃には「支給開始70歳」が現実味を帯びてくるという。7月27日付『ヴェルト』紙が報じた。
\BiBが連邦統計局の公式データを元に試算したところによると、年金受給期間は1910年生まれの男性で13.5年、女性で17.8年だったが、生活水準の向上や医学の進歩などによって、1947年生まれ(2012年に65歳)では男性で18.81年、女性で22.17年に伸びる。支給開始年齢引き上げの効果で、1964年生まれ(31年に67歳)の男性では18.48年、女性でも21.85年と47年生まれの水準を下回るものの、平均余命の伸びにともない再び上昇に転じ、1970年生まれの男性は19.02年、女性は22.37年と47年生まれの水準を突破する見通しだ。
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