自動車大手Volkswagen(VW)グループの従業員が買収を通した事業拡大の継続に反対している。グループの組織構造が複雑化しているためで、従業員代表のベルント・オスターロー事業所委員長は経済紙『ハンデルスブラット』に対し、「わが社は現在12のブランドを持つにいたった。ひとまずグループ全体を安定させなければならない」と述べ、組織統合を優先すべきだとの立場を表明した。
\同社は近年、買収を通して事業を急速に拡大しており、トラック大手のScaniaを2008年、同MANを昨年末にそれぞれ買収した。今月初旬には高級車大手Porscheも完全買収し、グループのブランド数を12へと増やした。
\業界情報によると、VWはマレーシア国営自動車大手Protonの買収も狙っているとされる。市場が急成長中の東南アジアで競合のトヨタに後れを取っていることが背景にある。オスターロー事業所委員長はこうした事情を踏まえたうえで、東南アジアで販売網・生産施設を拡充することは重要だが、「Proton買収を従業員は支持しない」との立場を示した。
\