エネルギー大手のRWEは15日、ケルン北西約25キロのグレーヴェンブローホ・ノイラート地区で新褐炭発電所「BoA 2&3」の本格稼働を開始した。発電能力は2,200メガワット(MW)で、褐炭発電所では世界最大。同社は建設に計26億ユーロを投じた。
\BoA 2&3は出力1,100MWの発電ブロック2基から成る。発電効率は44%で、褐炭発電としては世界最高水準を誇る。刻々と変化する電力需要や、風力・太陽光など再生可能電源の発電量の変動に柔軟に対応でき、ブロック当たりの出力を5分以内に150MW以上、15分以内に500MW以上引き上げ、引き下げることが可能。また、BoA2&3の稼働に伴い稼働を中止する褐炭発電所に比べ、二酸化炭素(CO2)排出量を年600万トン削減できるという。
\BoA 2&3については賛否が分かれている。環境保護団体は「大量のCO2を排出し、地球温暖化防止の流れに逆行する」として強く批判。これに対し、RWEのペーター・テリウム社長は「出力が不安定な再生可能エネルギーを補うのに不可欠」と反論する。
\ノルトライン・ヴェストファーレン州のハネローレ・クラフト首相は「エネルギー転換政策を成功させるためには、政府、自治体、産業界、エネルギー事業者が一体となって取り組まねばならない。我々の最終目標は再生可能エネルギー100%だが、目標達成の途上では化石燃料発電の支えが必要だ」と述べ、BoA 2&3はエネルギー転換政策と矛盾しないとの考えを示した。
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