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2012/9/5

経済産業情報

商標権供与制で老舗家電ブランド再興

この記事の要約

電子機器メーカーのテレフンケンが独自の提携戦略を通して「TELEFUNKEN」ブランドの再興に取り組んでいる。同社が策定した製品仕様・品質基準に賛同する世界中の企業と「パートナーアライアンス」という名のネットワークを組み […]

電子機器メーカーのテレフンケンが独自の提携戦略を通して「TELEFUNKEN」ブランドの再興に取り組んでいる。同社が策定した製品仕様・品質基準に賛同する世界中の企業と「パートナーアライアンス」という名のネットワークを組み、それぞれの企業が同規格に準拠して開発した製品をTELEFUNKENブランドで販売する。基準を満たした製品だけに商標権・ライセンス権を供与することでブランドイメージの統一を図れるほか、パートナー企業同士がノウハウを共有することで、 新製品・新技術の開発を促進できるとしている。8月31日付『フランクフルター・アルゲマイネ(FAZ)』紙が報じた。

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テレフンケンは1903年創業の老舗企業。1967年にAEGと合併したものの、急成長する日本メーカーとの戦いに敗れて経営が悪化し、1985年にダイムラー・ベンツ(現ダイムラー)に買収された。ダイムラー・ベンツは1990年代にAEGブランドの商標権をスウェーデンのエレクトロラックスに譲渡した後もTELEFUNKENの商標・ライセンス権を保持していたが、ほとんど活用していなかった。

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伝統あるTELEFUNKENブランドが活用されていないことに心を痛めたLive Holding社は2007年、同ブランドに関する権利をダイムラーから全て譲り受け、同年12月に同ブランドのライセンス管理会社Telefunken Holdingを設立。ブランド再興に向けて09年にパートナーアライアンス制を導入した。

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Telefunken Holdingの関係者がFAZ紙に明らかにしたところによると、同社はラジオ、テレビ、家電などの16分野で計70件のライセンスを供与している。

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テレフンケンは自社工場を持たず、製品はパートナーアライアンスに加盟する企業が生産している。この点についてTelefunken Holding関係者は「アップルも今や自社工場を持っていない」と指摘。「重要なのはアイディアとデザイン、顧客の信頼を勝ち得るビジネスモデルだ」と述べ、アライアンス戦略に自信を示した。

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