自動車大手の独Volkswagen(VW、ヴォルフスブルク)が2012年のグループ販売計画を従来の970万台から940万台に引き下げたもようだ。『ハンデルスブラット』紙が内部情報として報じたもので、デュースブルク・エッセン大学自動車リサーチセンターのドゥーデンフェファー教授は「ついにVWも危機に巻き込まれた」との見方を示した。同社は当初、憶測には回答しない方針だとしてコメントを控えていたものの、その後、欧州販売の不振を受け生産規模をやや引き下げることを認めた。具体的な数値は伏せている。
\同紙によると、販売目標の引き下げはユーロ危機の直撃を受けている欧州が25万台と大部分を占める。欧州市場への依存度が高い仏伊の自動車メーカーや独Opelは販売が大きく落ち込んでおり、Opelは今月、操短を開始した。
\VWについては先ごろ、生産規模縮小の可能性を取引先の部品メーカーに口頭で伝えたとの報道があった。広報担当者はこのとき、報道内容を憶測にすぎないと否定したのの、事業環境が今後厳しくなることは認めていた。
\VWグループの販売台数は昨年、前年比15%増の840万台に拡大した。今年の販売実績が940万台にとどまっても、増加率は12%と高水準を維持する。940万台のなかには8月に完全買収した高級車ブランドPorscheも含まれる。
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