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2012/9/12

経済産業情報

ワインは「体に良い」はEU法違反、誤解を与える不当表示

この記事の要約

ワインのボトルに記載された「体に良い(bekoemmlich)」という表示の是非をめぐる係争で欧州連合(EU)の欧州司法裁判所(ECJ)は6日、同表示を差し止める判決を下した。判決理由で裁判官は、「体に良い」との表示はE […]

ワインのボトルに記載された「体に良い(bekoemmlich)」という表示の是非をめぐる係争で欧州連合(EU)の欧州司法裁判所(ECJ)は6日、同表示を差し止める判決を下した。判決理由で裁判官は、「体に良い」との表示はEU指令が規定する健康強調表示に当たると指摘。アルコール飲料は健康強調表示が禁止されていると言い渡した(訴訟番号:C-544/10)

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独ラインラント・プファルツ州のワイン農協Deutsches Weintorは、ドルンフェルダー、グラウブルグンダー(ピノ・グリ)、ヴァイスブルグンダー(ピノ・ブラン)種のなかで酸味の低いワインを「Edition Mild」ブランドとして販売しており、ラベルには「自然の製法で酸味が抑えてあり(…)とりわけ体に良い」と記されている。これに対し州当局は「アルコール度数1.2%以上の飲料に健康強調表示は認められない」として表示の変更を指示したが、Deutsches Weintorが「体に良いというのは酸味の低さのことで、健康強調表示ではない」と反論したため、裁判に発展した。

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ECJの裁判官は、酸味が少なく胃にやさしいという一時的な効果のためにワインを「体に良い」と宣伝することは◇いくら飲んでも健康を保てるという誤解を与える◇飲み過ぎにより健康を害する可能性を隠ぺいする――として、不当な表示だとの判断を示した。

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