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2012/9/12

経済産業情報

オラクルがSAPとの和解に異議、上級審に控訴

この記事の要約

ソフト大手の独SAPが米子会社を通して競合オラクルのサーバーからソフトウエアを不正にダウンロードしていた事件で、オラクルはSAPから賠償金の支払いを受けることで8月に合意し裁判所の承認も受けたにもかかわらず、合意内容を不 […]

ソフト大手の独SAPが米子会社を通して競合オラクルのサーバーからソフトウエアを不正にダウンロードしていた事件で、オラクルはSAPから賠償金の支払いを受けることで8月に合意し裁判所の承認も受けたにもかかわらず、合意内容を不服としてサンフランシスコ控訴裁判所に上訴した。独地方紙『マンハイマー・モルゲン』の報道をSAPの担当者が3日、追認した。知財権をめぐる両社の争いはすでに5年を経過しているが、いまだに出口が見えない状況だ。

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係争の発端は、SAPが2005年に買収したソフトメンテナンス会社TomorrowNowの社員がオラクルのサーバーにアクセスし、アップデート版のソフトを不正にダウンロードしていたことだ。サンフランシスコ検察当局の調べによると、不正ダウンロードの回数は少なくとも6,249回に及ぶという。SAPは当初、容疑を否認していたものの、後に責任を認めた。

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カリフォルニア州オークランド連邦地裁の陪審団は10年11月、SAPに13億ドルの支払いを命じる評決を下したが、同地裁の裁判官は「額が大きすぎる」として2億7,200万ドルに減額した。オラクルはこれを不服として控訴する構えを示していたため、訴訟の長期化によるコスト増大を避けたいSAPは和解による解決を模索。地裁判決で言い渡された額より多い3億600万ドルを支払うことで8月3日にオラクルと和解した。

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オラクルは今回の措置について、和解に応じたのは可能な限り速やかに上級審で争うためだと説明している。

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SAPの広報担当者は「我々の争いは過度に長期化している。オラクルが係争をさらに長引かせることは遺憾だ」との見解を表明した。

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