連邦環境省(BMU)と連邦環境庁(UBA)は6日、水圧破砕法(フラッキング)による非在来型の天然ガス(シェールガス)開発に関する評価報告書を発表した。フラッキングを全面禁止にする必要はないものの、使用される化学物質によって地下水が汚染される可能性を排除できないと指摘。掘削できる地域や規模に厳しい条件を付けたうえで認めることが望ましいと結論付けた。
\フラッキングは頁岩(シェール)層に貯留する天然ガス(シェールガス)の採掘で主に使われる手法。化学物質と砂を混ぜた水を高圧で地中に注入してシェール層に割れ目(フラクチャー)を作り、内部にあるガスを抽出する。
\UBAの委託を受けて水・地下資源開発コンサルティング会社AHU AG、IWW研究所、ダルムシュタット大学などの専門家が作成した同報告書によると、フラッキングによる採掘では破砕に使用する化学物質に有害物質が含まれており、汚染された逆流水(フローバック)を回収・処理する際に大きなリスクを伴う。その一方で、現時点ではこうしたリスクを完全に評価するための学術データが不足しており、フラッキングの具体的な影響を提示できないという。
\鑑定書の作成チームはこうした事情を踏まえ、飲料水の水源近くでのフラッキングを全面禁止とし、認める地域についても◇事前の環境影響評価(アセスメント)を義務づける◇フラッキングは小規模なものを段階的に進めることのみを認め、大規模なものは許可しない――ことを奨励している。
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