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2012/9/12

経済産業情報

「楽しい店」でネットショップに対抗

この記事の要約

実店舗で商品を吟味するものの、実際の購入はネットショップという「ショールーミング」に対抗するため、実店舗でしか味わえないショッピング体験や店内の演出・サービスに力を入れる小売業者がドイツでも増えてきた。体験型の販売コンセ […]

実店舗で商品を吟味するものの、実際の購入はネットショップという「ショールーミング」に対抗するため、実店舗でしか味わえないショッピング体験や店内の演出・サービスに力を入れる小売業者がドイツでも増えてきた。体験型の販売コンセプトを早くから打ち出してきたアウトドア用品販売大手のGlobetrotterでは、使用環境を模した空間で顧客が商品の使い心地や性能を実際に試せるようにしている。4日付『ハンデルスブラット』紙が報じた。

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ショールーミングは、店頭で商品を見たり店員の説明やアドバイスを受けたうえで、価格の安いオンラインショップで購入する消費行動を指す。市場調査・コンサルティング企業IfHの調査によると、ドイツのネットショップユーザーのうち、ネットでの注文前に実店舗で商品を確認する人は4人に1人に上っており、テナント料や人件費などのコストが価格に含まれている実店舗型の小売事業者や、その取引先のメーカーにとって大きな問題となっている。

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Globetrotterのトーマス・リプケ社長もこの問題を認識しており、「いかにして顧客の心をつかみ、店で買いたいという気持ちにさせるか」に重点を置く。同社長によれば、顧客の興味をそそる体験イベントやデザインばかりでなく、販売スタッフの専門的で的確なアドバイスによる顧客との交流が重要という。

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