中国の建機大手・三一重工がケルン近郊のベートブルクに設置した欧州生産拠点が、開設から1年で事業計画の根本的な見直しを余儀なくされている。同社が今年初め、独コンクリートポンプ大手Putzmeisterを買収したことでコンクリートポンプ事業の重点がPutzmeisterに移ったためだ。開設当初240人だった正社員は170人に削減され、中国からの駐在員はその大半が本国に呼び戻されたという。『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が5日付で報じた。
\三一重工は2009年、ベートブルクで欧州初の生産拠点の建設を開始した。当初の計画では、総額1億ユーロを投資してコンクリートポンプなどの工場と研究・開発施設を設置。2015年までに従業員数を600人、売上高を10億ユーロに引き上げる予定だった。
\第1期工事は11年6月に完成し、今年1月から本格的に稼働したが、本社がその直後にPutzmeisterを買収したことで風向きが一変した。独法人Sany Germanyの広報担当者は「我々は一から全てやり直さなくてはならない」と厳しい現状を明らかにした。
\独Sanyは今後、確実な需要が存在するニッチ商品にターゲットを絞るとともに、「中国製品は安物」というイメージを払しょくするため、中価格帯で技術的にも際立った特徴を持つ製品を中心に販売していく。初年の売上高目標は3,000~5000万ユーロ、15年は1億ユーロと、当初計画の10分1にとどまるが、デクローズ社長は「組織を組み立て直すには時間がかかる」と述べ、長いスパンで事業を拡大していく姿勢を示した。
\