自動車大手の米Fordは25日、欧州で3工場を閉鎖すると発表した。欧州市場の低迷を受けた措置で、前日に明らかにしたベルギー東部のヘンク工場のほか、英サザンプトン、ダグナムの2工場も閉鎖する。欧州法人のシュテファン・オーデル社長は「欧州自動車産業の問題は単に景気循環に基づくものではなく、構造的な性質を帯びている」と述べ、理解を求めた。
\3工場の閉鎖によりロシアを除く欧州の生産能力を35万5,000台分、削減する。これは同生産能力の20%に相当するという。
\サザンプトン工場ではこれまでトランスポーター「Transit」を生産してきた。今後は同モデルの生産をトルコに移管。これに伴いサザンプトン工場に部品を供給するダグナム工場も閉鎖する。両工場の従業員数は計1,450人。
\ヘンク工場では現在、中型車「Mondeo」、スポーツバン「S-Max」、バン「Galaxy」を生産している。Fordはこれらモデルの次世代車を2014年からスペインのバレンシア工場で生産したい考え。これが実現すると、現在バレンシア工場で行われているミニバン「C-Max」「Grand C-Max」の生産は独ザールルイ工場に移管される可能性が高い。
\販売不振を受けて、Fordは欧州事業の今年の赤字幅を従来見通しの10億ドルから15億ドル以上へと大きく引き上げた。
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