医薬品流通大手の独Celesio(シュツットガルト)は25日、ネット薬局子会社DocMorrisをスイスのネット薬局Zur Roseに売却することで合意したと発表した。同子会社に対しては顧客であるドイツの実店舗薬局が強く反発してきた経緯があり、今回の売却により薬局との関係改善を目指す。取引金額は2,500万ユーロで、同社は約3,000万ユーロの売却損を計上する。
\DocMorrisはオランダに本拠を置くネット薬局で、主にドイツの顧客向けに医薬品を販売している。処方薬については法律で薬価が固定されているにもかかわらず、国外の企業であることを根拠に割引販売を実施してきたが、複数の最高裁判所の代表者で構成される合同法廷(Gemeinsamer Senat)は今年8月、国境を越えた販売であっても原則としてドイツ法の規定が適用され、値引きは認められないとの判断を提示。DocMorrisの事業モデルは見直しを余儀なくされている。
\Celesioは2007年、ドイツの医薬品販売規制緩和を期待して同子会社を2億ユーロで買収した。だが、その期待は実現せず、顧客の薬局との関係も悪化したため、売却に踏み切った。
\Zur Roseはスイス最大のネット薬局で、顧客数は22万人に上る。
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