クックスハーフェン沖110キロメートルの海域に建設中の洋上風力発電パーク「Global Tech I」の稼働開始時期がこれまでの見通しよりも早まりそうだ。高圧送電網管理・運営会社Tennetの広報担当者が7日付『ハンデルスブラット』紙に明らかにしたもので、納期の遅れが続くシーメンス製変電設備の納入を待たず、スイスABBが既に敷設している変電設備に接続する方向で計画を変更する。シーメンスにとっては大きな痛手となる。
\北海沖と陸地を結ぶ高圧送電インフラの敷設・管理を担当するTennetは、資金難からケーブル敷設が滞っており、洋上ウィンドパーク運営事業者などから強い批判を受けている。ただ、Global Tech Iの送電インフラについては、変電プラットフォームを受注したシーメンスが技術的な問題から納入を遅らせていることが敷設遅延の大きな原因になっているという。シーメンスの担当者はこの件について、プラットフォームの設置は来年にも可能だが、実際に稼働出来るのは早くても14年下半期になる見通しだと説明し、問題があることを認めた。
\風力パーク運営大手でGlobal Tech Iプロジェクトに14%を出資するWindreichのヴィリー・バルツ社長は「悠長に待っている時間はない。どうしたらそこまで時間を無駄使いできるのか、理解に苦しむ」と述べて、苛立ちをあらわにした。
\Global Tech Iのケーブルを接続するABBの変電設備は本来、ウィンドパーク「Bard Offshore I」向けに設置されたもの。接続予定の風力発電装置の設置が遅れているため、変電能力に300メガワット程度のゆとりがある。タービンの設置が進めば容量が不足するため、今回の対策はあくまでも一時しのぎとしている。
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