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2012/11/21

経済産業情報

EnBWが洋上発電プロジェクトを延期

この記事の要約

エネルギー大手のEnBWは14日、北海・ボルクム島の北90キロメートルの海域に計画していた洋上風力発電パーク「EnBW Hohe See」の建設プロジェクトを先送りすると発表した。北海と陸地を結ぶ海底送電ケーブルの敷設遅 […]

エネルギー大手のEnBWは14日、北海・ボルクム島の北90キロメートルの海域に計画していた洋上風力発電パーク「EnBW Hohe See」の建設プロジェクトを先送りすると発表した。北海と陸地を結ぶ海底送電ケーブルの敷設遅延で稼動開始時期が不透明なうえ、送電設備のトラブルで送電できない際の補償ルールが制定されていないため。同プロジェクトの投資総額は15億ユーロに上り、見切り発車するには事業リスクが大きすぎると判断した。

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EnBW Hohe Seeは風力タービン数が80基、出力合計が360メガワットで、当初の計画では2013年末までに着工する予定だった。

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EnBWにはバーデン・ヴュルテンベルク州政府が46.75%を出資する。EnBWは元々、発電のエネルギーミックスに占める原発の割合が高かったが、連邦政府のエネルギー政策転換や11年州議会選挙で緑の党と社会民主党が政権を獲得したことなどを受けて、再生可能エネルギー事業の強化に乗り出した。このため、今回のプロジェクト凍結が政治に与える影響は大きいと業界関係者はみている。

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