使い捨て飲料容器(ワンウェー容器)に強制デポジット(保証金)を課す制度が導入されて10年が経過するにもかかわらず、リターナブル容器の利用を増やすというドイツ政府の目標はまったく達成されていない。包装容器市場研究所GVMが連邦環境省の委託を受けて実施した調査によると、飲料容器全体に占めるリターナブル容器の割合は2004年の68.2%から10年には50.1%に低下。ビールではリターナブルビンが約9割を維持しているものの、ミネラルウォーターでは68.2%から34.6%に落ち込んだ。14日付『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が報じた。
\市場調査機関GfKの関係者は、使い捨て容器のシェアが増えている原因として価格の安さを挙げる。ディスカウントストアで売られているワンウェーボトルのミネラルウォーターは安いもので19セントに過ぎず、保証金(25セント)を含めてもリターナブルボトル入り商品より安いことが少なくない。また、社会の高齢化や単身世帯の増加で、重いビン入りの商品をケース単位で購入するより、軽いプラスチック入りのビンを1本単位で購入することを好む消費者が増えたことも見逃せない。さらに、環境に配慮してリターナブル容器の商品の購入に積極的な消費者はいるものの、容器の見た目でリターナブルなのかワンウェーなのかを判断することは困難で、しばしば混乱を招いているという。
\アルトマイヤー環境相はこうした事情を踏まえ、ワンウェーとリターナブル容器を簡単に見分けられるよう表示することを小売業界に求める意向だ。これに対し業界は、ワンウェー容器が好まれる社会的背景を無視して区別だけを明確にしても根本的な解決にはならないとしている。
\