ドイツポストのダイレクトマーケティング子会社Siegfried Voegele Institut(SVI)が実施した広告と記憶に関する研究で、紙媒体に印刷された広告の方がパソコンのモニターで見た広告よりも消費者の記憶に残りやすいことが明らかになった。デジタルメディアと印刷メディアを読む時の被験者の脳活動を観察したところ、印刷メディアを読んでいる時の方がより広い部位で脳の活動が活発になることが確認できたという。
\SVIの研究では、精神神経既往症のない30人の被験者(男性14人、女性16人、平均年齢25.8歳)を対象にまず、ピクトグラム(画像)とキャッチコピー(文字)からなる企業ロゴを提示し、10分間でできるだけ多く記憶するよう指示した。用意した企業ロゴは150種類で、50種類はカタログに印刷、50種類はパソコンの画面に表示した。残りの50種類は後の記憶確認テストで使用するもので、学習中の被験者には提示されなかった。被験者はカタログを手に持ち、自由にめくって学習。パソコンでの学習では、マウスクリックで自由にページをめくることができた。
\10分間の学習時間後、被験者に150種類のキャッチコピー(ピクトグラムは無し)をランダムに提示し◇このキャッチコピーを覚えているか◇キャッチコピーとセットになったピクトグラムを知っているか◇セットになるピクトグラムはどれか(4つの画像から選択)◇どちらの媒体で覚えたか(カタログ、パソコン画面)――を質問した。この時、カタログを見て覚えたロゴを提示された時には、物を触ったりつかんだりするための脳の部位の活動も活発になるなど、パソコンの画面で覚えたロゴでは見られなかった部位でも活動することが確かめられた。
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