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2012/11/28

ゲシェフトフューラーの豆知識

勤務時間の短縮要請で最高裁判決

この記事の要約

従業員数15人以上の企業に勤務する被用者(勤続期間6カ月以上)は労働契約で取り決めた勤務時間の短縮を雇用主に請求できる。これは「パートタイムと有期労働契約に関する法律(TzBfG)」8条1項に記されたルールである。同条4 […]

従業員数15人以上の企業に勤務する被用者(勤続期間6カ月以上)は労働契約で取り決めた勤務時間の短縮を雇用主に請求できる。これは「パートタイムと有期労働契約に関する法律(TzBfG)」8条1項に記されたルールである。同条4項第1文にはさらに、経営上の正当な理由がない限り、雇用主はこの請求を拒否できないと記されている。この条文をめぐる係争で最高裁の連邦労働裁判所(BAG)が13日に判決を下したので、ここで取り上げてみる。

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裁判を起こしたのは被告・航空会社に地上勤務職員として1995年から勤務するパート社員。会社側は同社員を「基礎サービス2」という分類の業務に投入することができ、同社員は同分類のなかのケア業務(Betreuungsdienst)に従事していた。勤務時間は週18時間と契約で取り決められていた。

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被告企業はその後、ケア業務を外部企業A社に委託。原告をA社に派遣するようになった。

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A社はやがて被告企業に対し、勤務時間が週18時間以上の職員を派遣するよう要求し、被告とその旨の契約を結んだ。

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一方、原告は被告に対し勤務時間を週10時間に短縮することを要請した。これに対し被告は、ケア業務に従事する職員の勤務時間はA社との契約により最低18時間でなければならないとして、要請を却下。原告はこれを不当として提訴した。

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原告は第2審で敗訴したものの、最終審のBAGは逆転勝訴を勝ち取った。判決理由で裁判官は、被告企業は原告を基礎サービス2に属する他の業務に配置転換することを全く検討しなかったと指摘。A社との契約を理由に勤務時間の短縮要請を拒んだことは不当だと言い渡した。

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