デンマークの風力発電設備大手Vestasと三菱重工業が洋上風力発電タービンの開発に向けて協議している。Vestasのダン・アンドレセン財務担当取締役が11月27日明らかにした。両社は8月、マスコミ報道を受けて提携交渉を進めている事実を公表したが、交渉内容についてはこれまで伏せていた。
\同取締役によると、両社が開発の方向で検討しているのは出力8メガワット(MW)のタービン。これは競合Siemensが現在テストしている世界最大の6MWタービンを約30%上回る。
\洋上風力発電パークは建設・保守点検コストがかさむため、タービンを大型化してこれらコストを圧縮する動きが強まっている。Siemensは10MWタービンの開発を検討しており、大型化の動きは今後、一段と加速しそうだ。
\投資銀行DNB MarketsのアナリストはVestasと三菱重工の提携について「三菱は専門知識、財務力、日本市場参入の足場、Vestasは風力発電分野の技術とノウハウをそれぞれ提供できる」と述べ、合弁設立は意義が大きいとの見方を示した。日本では福島原発事故を受けて、再生可能エネルギー発電の需要が今後高まると予想されている。
\洋上風力発電パークは現在主にドイツ、デンマーク、英国の3カ国で稼働している。欧州全体の今年末時点の発電能力は計4,537MWに達する見通しで、そのうちの57%をSiemens製、31%をVestas製が占める。
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