自動車大手の独Daimler(シュツットガルト)が戦略提携先の日産自動車と共同でメキシコに完成車工場を建設することを検討しているもようだ。2020年までに販売台数で競合BMW、Audiを凌駕するとの目標達成に向けた措置という。Daimlerの幹部職員の情報として『フランクフルター・アルゲマイネ(FAZ)』紙が報じた。同社の広報担当者はFAZ紙の問い合わせに対し、「成長計画は新工場の建設抜きには実現できない」と述べるにとどめ、具体的な回答を見合わせた。
\同紙によると、両社はそれぞれの高級ブランドMercedes、インフィニティのコンパクトカーないし小型セダンのメキシコ生産を検討している。日産は同国で完成車工場を計2カ所、展開しており、Daimlerと共同で完成車工場を建設すれば3カ所目となる。Daimlerは現在、同国で車両を生産していない。
\メキシコは北米自由貿易協定(NAFTA)に加盟しているうえ、人件費も低いため、米国向けの輸出拠点として大きな意味を持っており、自動車生産台数は急速に増加。来年は300万台に達し、今年の280万台から7%増加する見通しだ。ただ、治安が悪く、これがネックとなりDaimlerの監査役会は現地生産に反対しているという。
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