欧州経済の中心地ドイツに特化した
最新の経済・産業ニュース・企業情報をお届け!

2012/12/5

経済産業情報

第一汽車が知財権尊重をVWに確約

この記事の要約

中国の自動車大手・第一汽車集団(FAW)は合弁先の独フォルクスワーゲン(VW)が11月29日に発表したプレスリリースのなかで、VWの知財権を侵害しないことを確約した。FAWがVWの技術を不正入手してきたことについては7月 […]

中国の自動車大手・第一汽車集団(FAW)は合弁先の独フォルクスワーゲン(VW)が11月29日に発表したプレスリリースのなかで、VWの知財権を侵害しないことを確約した。FAWがVWの技術を不正入手してきたことについては7月に『ハンデルスブラット(HB)』紙が報じており、両社は今回その事実を認めた格好だ。

\

HB紙によると、FAWは少なくともVWのエンジン「EA 111」とギアボックス「MQ200」の設計情報を不当入手していた。

\

EA111はVWの「ポロ」「ゴルフ」に搭載されているエンジンで、FAWはシリンダーヘッドの間隔をわずか数ミリ変更した以外は全く同一のエンジンを作製した。このためVWのヴィンターコルン社長は2010年12月、FAWの徐建一社長に調査を要請。徐社長は11年春になって「開発エンジニアの個人的な勘違いが(模造エンジン作製の)原因だ。このエンジニアに‘厳しく注意’しておいた」と回答したという。

\

こうした経緯があるにもかかわらず、FAWはその後もVW部品情報を不当入手。VWは今年になって、FAWがMQ200を模造したギアボックスの生産準備を進めている情報をつかんだ。

\

VWはプレスリリースのなかで、エンジンとギアボックスの特許について同社のヴィンターコルン社長とFAWの徐社長が協議したと記した直後の文で徐社長の発言を引用。徐社長はVWとの提携の枠内で知財権を侵害しないことを約束した。

\