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2012/12/5

経済産業情報

再可エネでメタンガス生産、商用化の道のり厳しく

この記事の要約

環境団体グリーンピースの発電子会社Greenpeace Energyは11月30日、来年1月に開始予定だった、風力発電を利用した国内初のメタンガス生産・供給サービスを中止すると発表した。計画を慎重に再検討した結果、現時点 […]

環境団体グリーンピースの発電子会社Greenpeace Energyは11月30日、来年1月に開始予定だった、風力発電を利用した国内初のメタンガス生産・供給サービスを中止すると発表した。計画を慎重に再検討した結果、現時点では事業の採算が合わないことが判明。自前で発電設備を建設することは投資リスクが高すぎると判断した。同技術の改良・発展に向けた支援は今後も続けていく。

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Greenpeace Energyは9月19日、風力発電の余剰電力で天然ガス(メタンガス)を生産・供給するサービス「Windgas」を蘭ガス大手Gasunieと提携して2013年1月に開始すると発表した。メタンガス生産に使われる技術は「Power-to-Gas」と呼ばれるシステムで、(1)まず風力発電の電力で水を水素(H2)と酸素(O2)に電気分解して水素を取り出す(2)その後、二酸化炭素(CO2)を水素化反応によって段階的にメタンに還元する――仕組み。

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基本料金は1カ月当たり14.9ユーロ、ガス料金は1キロワット時(kWh)当たり7.51セントで、エコガス料金としてはやや高いものの、市場の適正価格水準内にとどまっていた。

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一方、ガス生産コストは3.65セント/kWhで、『ファイナンシャル・タイムズ(ドイツ版)』によると天然ガスの10倍以上、バイオガスの5倍に上る。また、サービス申込者は6,000人にとどまっており、採算性に大きな疑問が持たれていた。

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