ドイツに進出するブラジル企業が増えている。ドイツ貿易・投資振興機関(GTAI)によると、同機関が支援したブラジル企業の対独投資プロジェクトは4年前には2件に過ぎなかったが、今年は11月末までに11件を数えたという。3日付『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が報じた。
\これまでにドイツに進出したブラジル企業は約50社で、雇用規模は2,100人に上る。中小規模の企業が大半を占める。進出企業の主な業種は鉄鋼、食品、機械、建設、農業など。同国は08年の金融・経済危機からいち早く回復したため企業が潤沢な資金を持つうえ、レアル高も対外投資を後押しする。
\蘭マーストリヒト大学が実施したブラジル企業の国際化に関する調査によると、対外直接投資先は南米と北米市場が主流となっているものの、研究開発拠点としてはドイツをはじめとする欧州が最も関心を集めている。GTAIの関係者は「欧州進出で事業拡大だけでなく、技術や開発などのノウハウ獲得も狙う企業が増えてきた」と指摘する。
\ただ、ブラジル企業の2011年対独投資額は2億3,000万米ドルと、対外投資全体(1,960億米ドル)の0.1%にとどまる。このためGTAIは今年5月、ベルリン・ブランデンブルク国際空港およびザクセン州、チューリンゲン州の代表団と共同でブラジル企業を対象とした投資家イベントを初めて開催した。来年も同様の会合を実施する考えだ。
\