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2012/12/12

経済産業情報

包装材回収業界、市場競争が機能=連邦カルテル庁

この記事の要約

連邦カルテル庁は3日、2004年に自由化された包装材回収(デュアル・システム)市場に関する中間報告書を発表した。同庁はそのなかで、03年までDSDが独占していた同市場では現在9社が全国レベルで事業を展開するなど、市場開放 […]

連邦カルテル庁は3日、2004年に自由化された包装材回収(デュアル・システム)市場に関する中間報告書を発表した。同庁はそのなかで、03年までDSDが独占していた同市場では現在9社が全国レベルで事業を展開するなど、市場開放が進んでいると指摘。また、競争原理の導入でコスト削減・経営効率改善が進んだため、消費者の負担は自由化前に比べ半分に軽減されたとして肯定的な評価を下した。

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デュアル・システムは1991年、包装材の回収とリサイクルを目的に導入された。自治体による従来の廃棄物処理とは別に民間セクターによって回収・再利用を行うシステムで、回収に要する費用は企業が回収事業者に支払うライセンス料でまかなわれる。ライセンス料は販売価格に上乗せされ最終的に消費者が負担する。

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独包装材回収市場は2003年までDSDが独占していたが、同年8月にLandbellがヘッセン州の包装材回収事業者として認可されたことを皮切りに市場開放がスタート。2009年には全国レベルで事業を展開する事業者が同社やInterserohなど9社に達した。

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市場自由化に伴い回収率も上昇。2002年には軽包装材回収率が1998年の70%から62%へと後退したものの、03年以降は64~76%の範囲内で推移している(11年は73%)

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包装材回収業界の売上高はDSD独占時代には約20億ユーロだったが、競合参入による価格競争によって11年には9億4,100万ユーロまで縮小した。最大手DSDの市場シェアは以前の100%から11年には44%へと低下している。

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