ビジネスソフト大手の独SAPは同社の中核製品をインメモリデータベース「HANA」ベースで提供する。SAPの取締役がフランクフルト、ニューヨーク、サンフランシスコの3都市で10日に行ったプレゼンテーションで明らかにした。ジム・ハガマン・スナーベ共同社長によると、SAPシステムを利用する顧客企業2万5,700社のうち600社が年内にHANA技術に切り替える見通しという。
\HANA(High-performance ANalytic Appliance)はシステムのリアルタイム化を推し進めるうえでネックになっていたデータベース分析の問題解決に向けてSAPが開発したソリューション。データベースと演算エンジンをメインメモリー上に統合してデータ解析ツールと組み合わせることで、超高速のデータアクセスと分析を可能にした。従来システムでは数時間かかっていた処理が、わずか数秒で完了する。
\HANAはこれまで、利用分野が限られていた。このため2012年売上高は2億ユーロで、SAPの売上全体に占める割合は2%強にとどまった。今後は同社の中核ソフトがHANAベースに切り替えられ幅広い分野での利用が可能になるため、需要の急増が見込まれる。
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