独エネルギー水道産業連合会(BDEW)は10日、2012年の国内電力消費量(暫定値)が5,940億キロワット時(kWh)となり、前年を1.4%下回ったと発表した。景気減速で電力需要が伸び悩んだため。電力生産量(発電量)は6,170億kWhで1.3%増加した。
\発電量が最も多かった電源はこれまでに引き続き褐炭で、発電量は5.5%増の1,580億kWh、総発電量に占めるシェアは1ポイント増の25.6%だった。2位は再生可能電力(21.9%)で、発電量は9.3%増の1,351億kWh、シェアは1.6ポイント増の21.9%に拡大した。
\原子力と天然ガスは前年より減少した。原子力は政府の原発廃止政策を受けて発電量が8.3%減の990億kWh、シェアが1.6ポイント減の16%に落ち込んだ。天然ガスは発電量が15.8%減の697億kWhへと大幅に縮小、シェアは2.3ポイント減の6%へと低下した。
\ガス発電が大きく減少した理由についてBDEWの関係者は、◇再生可能エネルギーによる発電が増加した◇石炭に比べガス価格が割高なため、メリットオーダー(コストの安い発電所から順番に運転すること)の順位が低い―ためと指摘。ガス発電は石炭発電に比べ二酸化炭素(CO2)の排出量が低いにもかかわらず、コスト上の理由から石炭発電が優先され、CO2排出量が増加する結果になっているとして、政府に再考を促した。
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