生命保険の約款内容があいまいで保険契約者に一方的に不利になっているとしてハンブルク消費者センターが保険最大手アリアンツの生保部門(Allianz Lebensversicherung)を相手取って起こしていた裁判で、アリアンツは8日、最高裁への上告を認めなかったシュツットガルト高等裁判所の判決に対する異議申し立てを取り下げた。これ以上争っても勝ち目がないと判断したためで、約款を無効とした高裁判決は確定した。アリアンツが当該の規定に従って不当に差し引いた手数料を返還する顧客の数は90万人で、合計の返還額は最大1億1,700万ユーロに達する見通しだ。
\係争の対象となっていたのはAllianz Lebensversicherungが2001年7月から07年末までに締結した生命保険契約の約款のうち、中途解約、保険料の払込一時休止および解約返戻金に関する部分。シュツットガルト高裁は11年8月、同約款の規定は不明瞭で分かりづらく、約款に求められる透明性原則に反しているなどとして規定無効の判決を言い渡した。11年8月25日付『ファイナンシャル・タイムズ(ドイツ版)』によると、アリアンツは将来の保険料返還に備え10年末時点で1億1,700万ユーロの特損を計上していたものの、最高裁で最終的に敗訴が確定するまでは払い戻しに応じない姿勢を示していた。
\メディア報道によると、アリアンツは保険料払込を一時休止しただけで保証が継続している顧客に対しては、過剰徴収分を顧客の口座に払い戻す。一方、中途解約した顧客は返還請求を自ら行う必要がある。
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