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2013/1/23

経済産業情報

非接触型銀行カードの利用進まず、プリペイド方式がネックに

この記事の要約

カードリーダーにかざすだけで簡単に支払いを行える非接触型IC決済の利用がドイツで停滞している。小売店での支払いに要する時間が大幅に短縮されることから需要が大きいとみられていたが、貯蓄銀行(Sparkasse)と信用協同組 […]

カードリーダーにかざすだけで簡単に支払いを行える非接触型IC決済の利用がドイツで停滞している。小売店での支払いに要する時間が大幅に短縮されることから需要が大きいとみられていたが、貯蓄銀行(Sparkasse)と信用協同組合(Volksbank)、民間銀行が昨年4月にハノーバー地区で開始した実用試験ではこれまでのところ所期の成果があらわれていない。経済紙『ハンデルスブラット』が16日付で報じた。

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同実用試験では非接触型ICカード搭載のキャッシュカードを利用。システムに対応したカード120万枚が銀行顧客に配布された。だが、関係者によると、同カードを利用した支払い件数は月150~200件にとどまっているという。

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コンサルティング会社Paysysの関係者によると、カードがプリペイド方式を採用していることが利用の足かせになっている。顧客が銀行ATMなどの端末で事前にチャージしなければならないためだ。

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信用協同組合はこの事情を踏まえ、銀行口座から直接引き落とせる方式の実用試験を今年末に開始する意向。ただ、セキュリティ上の懸念は現時点で解消していないという。

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一方、貯蓄銀行はチャージ型の非接触銀行カードを今年末までに計3,000万枚、発行する計画だ。暗証番号(PIN)を利用したデビットカードが実際に幅広く利用されるようになったのは導入の数年後だとして、先行きを楽観している。

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