独連邦カルテル庁は1月31日、保守系高級紙のフランクフルター・アルゲマイネ(FAZ)が競合のフランクフルター・ルントシャオ(FR)の買収計画を提出したと発表した。両紙はともにフランクフルトを本拠地としており、買収審査では特に同市を中心とするローカル市場でFAZの影響力が極端に強まらないかなどを検討する。
\FRは中道左派の全国紙で、昨年11月に経営破たんした。2月末までに売却先が決まらないと廃刊になる恐れがある。このため、カルテル庁はFAZの買収計画を迅速に審査する意向だ。
\審査にあたっては◇FRが廃刊となる結果FAZが市場シェアを伸ばすことと、FRがFAZの傘下に入りながらも存続することのどちらが競争政策上、好ましいか◇FAZ以外に適切な買い手候補はないか――の2点を特に吟味する。
\FRの管財人によると、同紙の買収には計2社が関心を示している。ただ、交渉状況は「極めて悪い」という。買収に関心を示している企業のうち1社はトルコのEstetik Yayincilik。管財人はもう1社についてはドイツの投資家と述べるにとどめ具体名を伏せているため、FAZであるかは不明。ただ管財人は、FAZはFRを存続させる意向だとも述べており、この投資家がFAZである可能性は排除できない。
\