欧州経済の中心地ドイツに特化した
最新の経済・産業ニュース・企業情報をお届け!

2013/2/13

総合 - ドイツ経済ニュース

預金・投資銀行業務分離法案を分離へ、法案を閣議承認

この記事の要約

ドイツ政府は6日の閣議で、預金・投資銀行業務分離法案を承認した。同法案はリーマンショックに端を発する金融危機に際して経営危機に陥った銀行などの公的救済を余儀なくされた苦い教訓を踏まえて作成されたもので、金融市場での自己勘 […]

ドイツ政府は6日の閣議で、預金・投資銀行業務分離法案を承認した。同法案はリーマンショックに端を発する金融危機に際して経営危機に陥った銀行などの公的救済を余儀なくされた苦い教訓を踏まえて作成されたもので、金融市場での自己勘定取引やヘッジファンドとの取引などリスク事業の規模が大きい金融機関に対し、そうした業務の分離などを義務づける。法案は今後、連邦議会(下院)と連邦参議院(上院)で審議される。法案は連邦議会の承認があれば成立するものの、連邦参議院が異議をはさむと、法案成立は政府が目指す7月よりも遅れる可能性がある。

\

同法案は(1)リスク事業の規模が1,000億ユーロないし総資産の20%を超える場合、同事業を2015年7月までに法的・経営的・組織的に分離することを義務づける(2)国際・国内市場でシステムリスクの大きい金融機関に対し、経営危機に陥った際の再建計画を連邦金融監督庁(BaFin)に少なくとも年に1度、提出することを義務づける(3)リスク管理義務に違反した経営者に対し最大、懲役5年の刑を科す――の3本柱からなる。ショイブレ連邦財務相によると、10~12行が同規制の対象になる見通し。

\

フィンランド中央銀行のリーカネン総裁が議長を務める欧州連合(EU)の有識者グループは昨年10月、銀行の預金業務と投資銀行業務を分離することを柱とする域内銀行制度の改革に関する報告書を欧州委員会に提出した。今回の法案をこれを踏まえて作成されたもので、政府は「欧州で先導役を果たす」として法案実現に意欲を見せている。

\

一方、独民間銀行協会(BdB)は「法案はドイツの金融立地競争力を弱める」(アンドレアス・シュミッツ会長)と懸念を示している。

\