欧州経済の中心地ドイツに特化した
最新の経済・産業ニュース・企業情報をお届け!

2013/2/13

総合 - ドイツ経済ニュース

REACH登録料、中小企業で引き下げへ

この記事の要約

欧州連合(EU)の欧州委員会は5日、EUの化学物質規制「REACH」が施行された2007年6月以降、欧州市場では化学品の使用に関して安全性が大幅に向上しており、当面は抜本的な規制の見直しは不要とする報告書をまとめた。ただ […]

欧州連合(EU)の欧州委員会は5日、EUの化学物質規制「REACH」が施行された2007年6月以降、欧州市場では化学品の使用に関して安全性が大幅に向上しており、当面は抜本的な規制の見直しは不要とする報告書をまとめた。ただ、報告書は中小企業にとってREACHがコスト面で大きな負担になっていると指摘しており、欧州委は近く中小企業への支援策として、欧州化学物質庁(ECHA)に支払う登録料の引き下げを提案する方針を示している。

\

報告書によると、REACHの導入以来、域内で製造または販売されている7,884種の化学物質がECHAに登録されており、認可対象となっている化学物質については人や環境への影響が小さい代替物の開発が本格化している。また、安全性評価のための動物実験を減らす取り組みも広がっており、欧州委が総額3億3,000万ユーロの研究費を投じた成果が表れ始めている。さらにEU市民を対象とした意識調査「EUバロメータ」では、回答者の61%が「10年前に比べて化学製品が安全になったと感じている」と答えている。

\

報告書は「REACHは概ね円滑に実施されており、現時点で抜本的な改革は必要ない」と結論づけたうえで、より効率的な運用のため◇中小企業のコスト負担を軽減して、すべての企業がREACHの定めるルールを遵守できるようにする◇安全データシートの効率的な利用を推進する◇登録・認可申請手続きを簡素化する――などを提言している。

\