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2013/2/20

企業情報

Hess AG―経営破たん―

この記事の要約

昨年10月に新規株式公開(IPO)を果した中堅街灯メーカーの独Hess(フィリンゲン・シュヴェミンゲン)は13日、会社更生手続きの適用を裁判所に申請したと発表した。同社はIPOに際しての粉飾決算容疑で先ごろクリストフ・ヘ […]

昨年10月に新規株式公開(IPO)を果した中堅街灯メーカーの独Hess(フィリンゲン・シュヴェミンゲン)は13日、会社更生手続きの適用を裁判所に申請したと発表した。同社はIPOに際しての粉飾決算容疑で先ごろクリストフ・ヘス社長とペーター・チーグラー財務担当取締役を解任。それと同時に取引先銀行から融資ラインと預金を凍結されたため、経営に行き詰った格好だ。

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HessはLED照明市場が今後、急速に拡大することを踏まえ、事業拡張資金を調達する目的でIPOを実施した。上場目論見書では業績が順調に拡大するとの印象を振りまいていた。だが、同社は2009年以降、売り上げよりも支出の方が多い状況が継続。事業資金を確保するためにまずは銀行融資と投資家の出資を仰ぎ、昨年になってIPOを実施した。『ハンデルスブラット』紙によると、IPOで確保した資金3,600万ユーロの大半はすでに同社の手元に残っていないという。

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検察はすでに投資詐欺の容疑で捜査を開始した。今後は株主が損害賠償訴訟を起こす可能性が高く、出資者探しは難航しそうだ。

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