独連邦カルテル庁は2月28日、鉄鋼メーカー3社を対象に立ち入り調査を実施した。自動車鋼板の分野で違法なカルテルが結ばれていた疑いが持たれているため。
\捜査を受けたのはティッセンクルップとアルセロール・ミタル、フェストアルピーネの3社。当局はバイエルン、バーデン・ヴュルテンベルク、ノルトライン・ヴェストファーレン州で事務所や家宅の立ち入り調査を行った。3社とも捜査に協力するとしている。
\ティッセンクルップとフェストアルピーネはドイツの鉄道用レールカルテルで連邦カルテル庁から昨年7月に課徴金支払いを命じられたばかり。自動車鋼板カルテルの容疑が裏付けられた場合、両社は再犯となるため制裁額が上乗せされる公算が高い。
\鉄道レールカルテルでは総額1億2,450万ユーロの課徴金(うち1億300万ユーロはティッセンクルップ)支払いが命じられたほか、被害者のドイツ鉄道(DB)が損害賠償訴訟を起こした。自動車鋼板カルテルでも容疑が確定すれば顧客メーカーが損賠請求する可能性が高い。
\ティッセンクルップのハインリヒ・ヒージンガー社長は「容疑が裏付けられた場合は断固とした措置をとる」と述べ、関連した従業員の解雇に踏み切る考えを示唆した。鉄道レールカルテルでは取締役を含むおよそ10人を解雇・解任した。
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