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2013/3/6

経済産業情報

老朽原発一時停止、州政府命令は「違法」

この記事の要約

福島原発事故を受けてヘッセン州当局がビブリス原発の一時停止を命じたことは不当として同原発を運営する電力大手RWEが州政府を相手取って起こしていた裁判で、カッセル州行政裁判所(高等裁判所)は2月27日、政府の対応は法規に抵 […]

福島原発事故を受けてヘッセン州当局がビブリス原発の一時停止を命じたことは不当として同原発を運営する電力大手RWEが州政府を相手取って起こしていた裁判で、カッセル州行政裁判所(高等裁判所)は2月27日、政府の対応は法規に抵触するとしてRWE勝訴を言い渡した(訴訟番号:6 C 824/11.T、6 C 825/11.T)。上告を認めておらず、州政府が上告不許可への異議を申し立てなければ判決は確定する。RWEはこれを受けて、総額1億8,700万ユーロの損害賠償訴訟に踏み切るとみられる。

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福島原発の放射能漏れ事故を受けて連邦政府は2011年3月14日、前年の法改正で実現した原発の稼働延長措置を3カ月凍結するほか、老朽化した原発7基の一時停止(6月中旬まで)を決定。ヘッセン州政府はこの決定に基づき同18日、ビブリスAとBの2基の一時停止を命じた。RWEはこれを不当として提訴していた。

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カッセル行政裁判所の裁判官は、州政府は一時停止を命じる前にRWEからビブリス原発の安全性に関する見解を十分に聴取しておらず、手続き上の不備があったと指摘。また、州環境省は原子力法の規定によって原発一時停止に関する裁量権の行使が認められているにもかかわらず、法的に適切な形でこれを行使しなかったとして、命令は違法と結論づけた。

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