中堅医薬品メーカーの独Merz(フランクフルト)は8日、米国のスキンケア用品メーカーObagiに対する株式公開買い付け(TOB)で買い取り価格を引き上げないと発表した。これにより競合のカナダ企業Valeantと繰り広げてきた買収合戦から離脱した格好。MerzはObagiの買収により美容皮膚事業を強化する考えだった。
\MerzとValeantはObagiの買収に向けてそれぞれ同社経営陣と交渉。Obagiは3月、Valeantの株式公開買い付け(TOB)計画に支持を表明した。同TOB価格は1株当たり19.75米ドルだった。
\これに対しMerzは4月2日、対抗TOB方針を表明。1株22ドル、総額3億8,400万ドルで買い取る意向を打ち出したが、Valeantは翌3日、TOB価格を24ドル(総額4億1,800万ドル)に引き上げ、Obagi経営陣から改めて支持を取り付けた。
\Obagiはアンチエイジング効果のある処方薬「Nu-Derm」を製造している。2012年売上高は約1億2,000万ドルで、営業利益(EBITDAベース)2,140万ドルを計上した。
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