ドイツ連邦統計局が2日発表した2012年の電力輸出量は66.6テラワット時(TWh)となり、前年に比べ12.1TWh増加した。一方、輸入量は43.8TWhで4.7TWhの減少。輸出超過量は前年の3.8倍の22.8TWhに達し、過去4年間で最高となった。
\輸出先国のトップはオランダ(22.6TWh)で、2位はオーストリア(15.9TWh)、3位はスイス(12.7TWh)だった。輸入先国はフランス(13.2TWh)がトップ。これにデンマーク(8.5TWh)、チェコ(8.4TWh)が続く。
\金額ベースでみると、輸出は37億ユーロ、輸入は23億ユーロで、差し引き14億ユーロの黒字となった。ただ、輸出超過の背景には、風力、太陽光など需要に応じた発電・出力調整が困難な再生可能エネルギーの割合が増加し、時間帯によって大量の余剰電力が発生していることがある。再可エネ電力による供給過剰で下落した電力取引市場価格(輸出価格)と再生可能エネルギー法(EEG)によって定められた固定買い取り価格との間に大きな落差が生まれる結果、電力会社が電力輸出で差額負担を強いられるケースが出ている。民放局RTLによると、昨年12月25日の朝4時に電力会社が負担した額はメガワット時当り220ユーロに上ったという。EEGの規定によって、一般需要家(消費者)は再可エネ電力の補助金負担が義務づけられているため、輸出増に伴う負担は最終的に消費者に転嫁される。
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