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2013/4/17

経済産業情報

EVへのメーカーの関心に陰り、普及伸び悩みがネックに

この記事の要約

電気自動車(EV)に対する製造業者の関心が薄れている。国内のEV普及率は0.1%(保有台数ベース)に過ぎず「2020年までに累計100万台」を達成するとした政府目標は現実味が薄れており、市場の大幅な拡大は当面、見込めない […]

電気自動車(EV)に対する製造業者の関心が薄れている。国内のEV普及率は0.1%(保有台数ベース)に過ぎず「2020年までに累計100万台」を達成するとした政府目標は現実味が薄れており、市場の大幅な拡大は当面、見込めないためだ。関連企業は自動コンテナ搬送機や路面清掃車など、乗用車以外の分野で需要が拡大することに期待をかけている。12日付『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が報じた。

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電動モーター製造のSEW Eurodriveは数年前、EV向け非接触給電システム事業に参入した。駐車場向け充電設備などの需要を見込んでいたが、これまでのところ大口受注はないという。同社のゾンダーマン社長は「得られたノウハウは他の産業分野でも十分に応用が可能」と述べ、活用先を模索する考えを示した。

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自動車部品大手シェフラーのローベルト・シュラン取締役は、「電気駆動の車両を乗用車に限定して考えることは誤り」と断言する。また、油圧制御・フィルターシステムを手がけるArgo Hytosのオーナーであるクリスティアン・キーンツレ氏は、例えば路面清掃車を電気駆動式にすれば、早朝に投入しても静かで住民の迷惑にならないうえ、モーターの回転でブラシを回転でき一石二鳥だと指摘する。

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EVの普及は当初の見通しよりも大幅に遅れる見通しで、米自動車部品大手ジョンソン・コントロールズの関係者は「ドイツでは5年後も新車シェアの8割を従来式のエンジンモデルが占め、電気モーター搭載車はハイブリッドを含めても5~10%にとどまる」と悲観的な見方を示した。

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