欧州最大の内陸港であるドイツのデュースブルク港が好調だ。2012年の貨物積み替え量は、政府のエネルギー転換政策を受けた石炭需要減が響き過去最高となった前年をやや下回ったものの、売上高と利益はともに増加。先月15日には郵船ロジスティクスが同港湾内にある物流施設の拡張工事を開始した。アウディも今年夏から完全ノックダウン(CKD)部品の輸出ハブ港として利用を開始するなど、国際的な大企業の拠点として重要性を高めている。10日付『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が報じた。
\港のあるデュースブルク市には資生堂ドイツ本社の欧州配送センター(EDC、2000年設置)をはじめ、ダノン、ジョンソン&ジョンソン・ファーマ、三菱電機など世界的な大手企業だけでも10社以上が物流・配送センターを構える。また、港湾内にはスイス物流大手キューネ&ナーゲル、航空エンジン大手MTUフリードリヒスハーフェンなど140社余りが拠点を設置している。
\デュースブルク港を運営するDuisburger Hafenのエーリヒ・シュターケ社長は、グローバル企業の誘致を積極的に推し進める方針で、15年までに1億ユーロを投資して港湾内の産業用地整備を行うとしている。
\Duisburger Hafenが9日発表した2012年通期決算のグループ売上高は前期比8.1%増の1億6,000万ユーロに拡大、営業利益(EBITDAベース)も2,780万ユーロから2,900万ユーロに増加した。鉄道とトラック、船舶を合わせた貨物積み替え量は前年の6,410万トンから6,330万トンへとわずかに減少した。
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