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2013/4/17

経済産業情報

独北部の新コンテナ港、苦難の出だしに

この記事の要約

昨年9月に開港した新コンテナターミナル「ヤーデ・ヴェーザー港(JadeWeser Port:JWP)の利用が振るわない。JWPの運営会社Eurogateは10日の年次記者会見で、開港から今年3月までのコンテナ取扱量が3万 […]

昨年9月に開港した新コンテナターミナル「ヤーデ・ヴェーザー港(JadeWeser Port:JWP)の利用が振るわない。JWPの運営会社Eurogateは10日の年次記者会見で、開港から今年3月までのコンテナ取扱量が3万3,000 TEU(20フィートコンテナ換算)だったと発表した。通期でも10万~15万TEUにとどまる見込みで、当初の目標(年70万TEU)を大きく下回るのは必至だ。

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JWPは岸壁水深18メートルの大水深港湾。ハンブルクやブレーマーハーフェン港に入港できない超大型コンテナ船でも入港できるため、高い経済効果が期待されている。開港は当初、2012年8月を予定していたが、鋼矢板(シートパイル)の不具合が見つったため9月末に延期された経緯がある。

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開業直後から需要が伸び悩んでいるのは、欧州債務危機を受けて物流需要が後退しているうえ、JWPの共同運営者であるデンマークの海運大手マースクが同港の利用便数を減らしたためだ。「週に1便しか入港がなかった」こともあったという。稼働率が予想を大きく下回っているため、同港は従業員400人のうち350人を対象に先月18日から操短を適用している。

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運営事業者は出資者であるニーダーザクセン州とブレーメン州との取り決めによって、一定の業績を上げることが義務づけられており、履行できない場合は違約金を科される恐れがある。両者はこの問題について来月にも協議を開始する予定だ。

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