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2013/6/12

経済産業情報

DBの車両不足深刻に、繁忙期には予備車両がない状態

この記事の要約

ドイツ鉄道(DB)が高速鉄道車両の不足に悲鳴をあげている。同社のウルリッヒ・ホンブルク取締役が4日明らかにしたところによると、発注した車両の納期遅れが続いているうえ、点検・交換作業などでダイヤから外す車両もあり、繁忙期に […]

ドイツ鉄道(DB)が高速鉄道車両の不足に悲鳴をあげている。同社のウルリッヒ・ホンブルク取締役が4日明らかにしたところによると、発注した車両の納期遅れが続いているうえ、点検・交換作業などでダイヤから外す車両もあり、繁忙期には予備車両が全くない状況という。確実に需要が見込めるにもかかわらず車両不足で編成や便数を増やせないため、座席を予約できずに鉄道での移動をあきらめる利用者が出る恐れがあると危機感を強めている。

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ホンブルク取締役によると、シーメンスに発注したICE車両16編成の納期は当初、2011年末となっていた。だが、技術的な問題から再三にわたって延期されおり、実際に運行できるのは早くとも今年末になる見通しだ。ボンバルディアに発注した2階建て特急車両27編成も、納期が当初予定より9カ月遅い2014年秋となる見込み。

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旧型在来特急車両の改造や、車軸に欠陥が見つかった一部のICE車両で車軸交換と点検間隔を短縮したことも車両不足に拍車をかけている。また、『ハンデルスブラット』によると、DBは新規株式公開(IPO)を目指していた数年前まで、資金を確保するために中古車両を早期に売却しており、これも車両不足の一因になっているという。

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