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2013/8/28

企業情報

Volkswagen AG―中国北西部工場、当初はセミKD生産に―

この記事の要約

自動車大手のVolkswagen(VW、ヴォルフスブルク)は中国北西部の新疆ウイグル自治区に新設した完成車工場で当面、部品を外部から持ち込んで生産するセミノックダウン方式を採用する。工場内に完成していない施設があるため。 […]

自動車大手のVolkswagen(VW、ヴォルフスブルク)は中国北西部の新疆ウイグル自治区に新設した完成車工場で当面、部品を外部から持ち込んで生産するセミノックダウン方式を採用する。工場内に完成していない施設があるため。産業インフラの不備といった問題を軽視して進出したことが響いているもようだ。27日付『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が報じた。

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新疆ウイグル自治区の首府ウルムチに建設した新工場では今週末、開所式が行われるものの、規模は小さく、ヴィンターコルン社長は出席しない。プレス関係者の参加も認められていない。

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2013年下半期に操業を開始するとした計画は遵守された。ただ、そのせいか、プレス施設と塗装施設は完成していない。部品は上海工場から持ち込み、生産車種は中国市場向けに開発した「New Santana」に限られる。

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新疆ウイグル自治区は産業インフラが整っていないため、サプライヤーや従業員の確保、物流網の構築が難しい。また、漢民族と少数民族ウイグル人の対立が激しく、4月には武装勢力と警察の衝突で21人が死亡した。

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こうした事情があるにもかかわらず工場進出したのは西部大開発政策を推し進める中国政府の強い要望があったため。同国はVW最大の市場となっており、政府の意向は無視できなかったもようだ。

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