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2013/9/18

経済産業情報

凧型風力発電のデモ稼働に成功、15年にも商品化

この記事の要約

凧(たこ)が上昇するときに凧糸の引っ張る力で発電機を作動させる凧型風力発電装置のデモ稼働に、ドイツの小企業Enerkite(ポツダム近郊クラインマハノー)が成功した。「EK30」と名付けられた装置を使って9日、ベルリンで […]

凧(たこ)が上昇するときに凧糸の引っ張る力で発電機を作動させる凧型風力発電装置のデモ稼働に、ドイツの小企業Enerkite(ポツダム近郊クラインマハノー)が成功した。「EK30」と名付けられた装置を使って9日、ベルリンで実施。現在は試作段階にあるものの、関係者は「2015年には商品化も可能だ」と期待を寄せる。

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EK30の仕組みは単純だ。凧が風を受けて上昇すると、地上に設置されたタービンが凧糸の引っ張られる力で回転し、発電する。凧糸が引っ張り切られたら糸をリールで巻き取って凧を地上に戻し、再び上昇させて発電。この作業を繰り返す。

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9日のデモ発電で使用された試作品の翼面積は15~30平方メートル、重さは5~10キログラムで、上昇高度は100~300メートル。発電容量は30kW、定格風速は9~12メートル/秒、稼働に必要な最低風速(カットイン)は3メートル/秒となっている。凧には制御用のワイヤーが2本ついており、風の向きと強さに合わせて8の字を描いて飛ぶように地上から制御する。また、稼働中に風が最低速度を下回った場合、ロッドを小刻みに引いて凧を引きもどし落下しないように制御するという。

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Enerkiteは連邦政府とブランデンブルク州から研究資金支援を受けているほか、Liros、Carbonterm、Wiegand、シーメンスなどの産業パートナー、ベルリン工科大学、フラウンホーファー風力エネルギー・エネルギーシステム研究所(IWES)などの研究機関とも協力関係を構築している。

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