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2014/1/29

経済産業情報

IT業務のアウトソーシングに企業が慎重化

この記事の要約

米国家安全保障局(NSA)による大規模な情報収集活動が次々と明るみに出たことを受けて、企業はIT業務の外部委託(アウトソーシング)に慎重になっているようだ。仏ITサービス大手Atosのウィンフリート・ホルツ独法人社長は『 […]

米国家安全保障局(NSA)による大規模な情報収集活動が次々と明るみに出たことを受けて、企業はIT業務の外部委託(アウトソーシング)に慎重になっているようだ。仏ITサービス大手Atosのウィンフリート・ホルツ独法人社長は『フランクフルター・アルゲマイネ』紙に対し、外部委託に伴う個人情報の漏えいに不安を感じる企業が特に中小企業で増えていると指摘。業務受注の減少といった数字にはまだ表れていないものの、◇委託計画を一旦棚上げにする◇外注業務を再び自社に戻す――といった流れがはっきり感じられることを明らかにした。

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ホルツ社長は「CeBITでは昨年まで、IT環境のクラウド化が最大の関心事の一つだった。しかし、NSAの事件をきっかけに、企業は自社の情報セキュリティ強化や、社内ネットワークへの不正アクセス防御により多くの関心を向けるようになった」と話す。また、NSA事件の影響でIBMなど米ITサービス企業の受注が減少しており、米コンピューターネットワーク機器大手Ciscoは、米当局に近いとの疑念から中国での受注をキャンセルされたという。

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ホルツ社長はこうした状況を踏まえ、個人情報保護の強化に向けた欧州連合(EU)のデータ保護法改正案を速やかに採択して法的な枠組みを整え、深刻な不信感を速やかに払しょくする必要があると強調した。

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