欧州経済の中心地ドイツに特化した
最新の経済・産業ニュース・企業情報をお届け!

2014/1/29

経済産業情報

医療過誤による死亡患者、11年は1万9千人に

この記事の要約

公的健康保険組合AOKは21日、国内の医療機関動向をまとめた『病院レポート』の最新版を発表した。それによると、2011年に病院内で発生した有害事象(Adverse Event:AE)は推定1,880万件で、このうち患者の […]

公的健康保険組合AOKは21日、国内の医療機関動向をまとめた『病院レポート』の最新版を発表した。それによると、2011年に病院内で発生した有害事象(Adverse Event:AE)は推定1,880万件で、このうち患者の安全に係わるAEは90万~180万件(5~10%)に上った。医療過誤は18万8,000件(1%)、医療過誤により患者が死亡したケースは1万8,800件(0.1%)だった。AOKは、「AEが多発する事実を直視し低減に向けて努力をしていれば、AEの2~4%は回避できた」と指摘。病院に適切な取り組みを求めた。

\

2009~11年に変形性膝関節症で人工股関節置換術による治療を受けたAOK加入者(14万人)のうち、合併症などの問題が起こったのは7.4%、術後1年以内に再検査となったのは4.0%、再手術が必要となったのは4.6%に上った。術後90日以内の死亡は0.5%、術後90日以内の大腿骨骨折は0.7%だった。

\

治療成績の良し悪しは当該施設が手がける手術の件数によって異なっており、再手術の実施率でみると、施術患者数で上位25%の病院では2.9%にとどまるのに対し、下位25%の病院では6.5%に上った。また患者の死亡は上位50%の病院で1件もなかったが、下位25%の病院では0.9%に達した。

\

『病院レポート』はAOKの調査機関WIdOが毎年作成しているもので、年によって重点テーマが異なる。最新版は「患者安全」に焦点が当てられている。

\