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2014/1/29

ゲシェフトフューラーの豆知識

採用差別の慰謝料請求、請求先は求人元企業

この記事の要約

採用応募者が差別を受けた場合、求人企業に慰謝料を請求できる。これは一般平等待遇法(AGG)15条に記されたルールである。では、企業などが採用募集を仲介人を通して行った場合もこの原則は適用されるのだろうか。最高裁の連邦労働 […]

採用応募者が差別を受けた場合、求人企業に慰謝料を請求できる。これは一般平等待遇法(AGG)15条に記されたルールである。では、企業などが採用募集を仲介人を通して行った場合もこの原則は適用されるのだろうか。最高裁の連邦労働裁判所は23日の判決でこの問題についての判断を初めて示した(訴訟番号:8 AZR 118/13)。

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裁判は人材派遣会社UP社が行った採用募集を仲介したUPN社を相手取って、応募した1969年生まれの男性が起こしたもの。同男性は2011年9月26日、応募書類をインターネットで送付した。

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10月5日に不採用通知を取得。文面には、原告は募集条件を満たしているものの、より適切な人材が応募したため、その人物を採用すると記されていた。原告は40歳を超えていたため、年齢差別に当たると判断。AGG15条に基づいてUPN社に慰謝料の支払いを請求したが、拒否されたため提訴した。

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1、2審は原告の訴えを棄却。最高裁のBAGも下級審判決を支持した。判決理由で裁判官は、AGG15条に基づく慰謝料支払いの請求先は求人元の企業だと指摘。UPN社はUP社の委託を受けて採用募集を仲介したに過ぎず、UPN社には慰謝料支払いの義務はないとの判断を示した。

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