独工作機械工業会(VDW)が6日発表した工作機械の2013年国内生産高(部品・付属品と設置・修理・保守サービスを含む)は前年比2%増の145億ユーロ(暫定値。以下、13年の数値はすべて暫定値)となり、08年に記録した過去最高(142億ユーロ)を上回った。新規受注高は6%減の141億8000万ユーロに後退したものの、年初の受注残が8カ月を超えていたことが大きく、工場稼働率は92.8%に達した。
生産高の伸び率が最も大きかったのは成形機で、14%増の31億2,000万ユーロに拡大した。主要顧客の自動車産業で大型プロジェクトが多かったことがプラスに働いた。切断機は1%減の79億4,000万ユーロ、部品・付属品は1%減の23億4,000万ユーロ、設置・修理・保守点検は4%増の11億ユーロだった。
国内市場(国内生産-輸出+輸入。設置・修理・保守点検を除く)は5%増の7,130万ユーロに拡大した。一方、輸出(設置・修理・保守点検を除く)は4%減の91億7,000万ユーロに後退。中国向け輸出が11%減の21億ユーロに縮小したことが響いた。
独工作機械メーカーの国外生産高は21%増の20億3,000万ユーロと大幅に伸びた。主要市場で現地生産する企業が増えていることが背景にあり、国外生産の規模は05年(11億ユーロ)の2倍弱に拡大している。
部品・付属品と設置・修理・保守点検を除いた国内生産高は3%増の111億ユーロとなり、日本(35%減の92億ユーロ)を抜いて世界2位に上昇した。1位は中国(12%減の129億ユーロ)。日本の減少率(35%)の半分は円安の影響を受けたものという。
部品・付属品と設置・修理・保守点検を除いたドイツの輸出高は3%減の79億ユーロに縮小したものの、長年のライバルである日本が35%減の67億ユーロと大幅に縮小したため、4年ぶりに世界1位に返り咲いた。世界輸出市場に占めるシェアは23.7%に上る。
14年については世界の経済成長率が2.9%に達し、工作機械の需要が5%増加すると予想。国内生産高が昨年の145億ユーロから4%増の151億ユーロに拡大するとの見通しを示した。