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2014/2/26

経済産業情報

WLANルーターにマルウエア攻撃、高額電話料金請求の恐れ

この記事の要約

MVN社の無線LANルーター「Fritzbox」をターゲットにしたマルウエアが出回っている。ルーター上のスクリプトの脆弱性を悪用し、外部から不正にアクセスして音声通話機能を操作し、ユーザーが知らないうちに高額の有料ダイヤ […]

MVN社の無線LANルーター「Fritzbox」をターゲットにしたマルウエアが出回っている。ルーター上のスクリプトの脆弱性を悪用し、外部から不正にアクセスして音声通話機能を操作し、ユーザーが知らないうちに高額の有料ダイヤルにかけ続けるというもので、4,000ユーロ以上の電話料金を請求された被害者もいる。

マルウエアの被害にあった60歳のある男性は1月半ば、電話をかけようとしたところ回線がつながらなくなっていたため、プロバイダー(1&1)のコールセンターに問い合わせた。センターの職員から「通話料金があまりに多額のため発信を制限した」と説明を受けたため、通話履歴を確認したところ、わずか30分の間にカタールの有料ダイヤルにかけられるだけ電話がかけられており、トータルの通話時間は70時間、料金は4,208.89ユーロに上っていた。

製造元であるMVNによると、マルウエア攻撃を受ける可能性があるルーターは「7570」「7170」など32機種。該当する全モデルについて脆弱性を修正した最新バージョンを提供している。

Fritzboxは多くのインターネットプロバイダーが顧客に提供しているいわば「標準機器」のため、各社とも当該機器を使用するユーザーに早急にファームウエアをアップデートするよう呼びかけている。対象機器のリストおよびアップデート方法はhttp://www.avm.de/de/Sicherheit/liste_update.htmlで閲覧できる。