欧州経済の中心地ドイツに特化した
最新の経済・産業ニュース・企業情報をお届け!

2014/3/12

総合 - ドイツ経済ニュース

欧州特許出願、今年もサムスンが1位に

この記事の要約

欧州特許庁(EPO)は6日、2013年の特許統計の詳細を発表した。それによると、韓国のサムスン・グループは出願件数で2年連続首位を獲得。LGグループも4位につけており、韓国企業は2社がトップ10入りを果たした。日本勢は国 […]

欧州特許庁(EPO)は6日、2013年の特許統計の詳細を発表した。それによると、韓国のサムスン・グループは出願件数で2年連続首位を獲得。LGグループも4位につけており、韓国企業は2社がトップ10入りを果たした。日本勢は国別のシェアで2位を保ったものの、トップ10に入ったのは三菱グループだけだった。

サムスンの出願件数は前年比24%増の2,833件と大きく拡大した(グラフ1を参照)。主力のサムスン電子がこれまでに引き続きグループ全体をけん引。2位の独シーメンスが10%減の1,974件に後退したため、サムスンとシーメンスの差は前年の96件から859件へと大幅に広がった。

12年に前年の43位から10位に急上昇した中国の通信機器大手・中興通訊(ZTE)は後退。中国企業はトップ10から姿を消した。

EPOへの13年の特許出願件数は前年比2.8%増の26万5,690件となり、過去最高を更新した。増加は4年連続で、EPOは「欧州を技術革新の第一級の産業立地とみなす企業が世界的に一段と増えている」との見方を示した。

出願件数が最も多かった国は米国で、前年比2.8%増の6万4,967件に上った。2位の日本は1.2%増の5万2,437件。3位はドイツで、5.4%減の3万2,022件に後退した。中国(4位)と韓国(5位)はそれぞれ16.2%増の2万2,292件、14%増の1万6,857件と2ケタ台の伸びを記録。コンピューター、エレクロトにクス、携帯電話機分野で両国の存在感が高まっている。EPO加盟38カ国は出願全体の35%を占めた。

一方、特許申請と特許付与に占める各国のそれぞれの割合をみると、ドイツは申請に占める割合が12%にとどまるのに対し、付与に占める割合は20%に達した。これは不承認となる特許の割合が全体の平均を大幅に下回っていることを意味する(グラフ2を参照)。欧州勢は特許付与に占める割合が申請に占める割合よりも総じて高い。

これに対し、中国勢は出願に占める割合が8%に上るのに対し、付与に占める割合は1%に過ぎなかった。韓国勢もそれぞれ6%、3%となっており、出願しても承認されない特許の割合が高い。

特許の出願件数が最も高かった分野は医療機器で、前年比2%増の1万688件に拡大した。これに電機・エネルギー(4%増の1万307件)、デジタル通信(7%減の9,101件)が続く(グラフ3を参照)。

トップ10に入った分野のうち9分野で欧州勢の割合が最も高かった。輸送機器の分野では同割合が60%に達している。自動車、航空機がけん引したという。計測機器(同54%)、機械(50%)、タービン(50%)分野でも同割合が高い。医療機器分野では欧州勢のシェアが41%に拡大し、米国勢(39%)を抜いた。日本勢はエレクトロニクスの分野でシェアが25%、自動車でも同22%と高い。中国勢はデジタル通信で15%に達した。